脂肪吸引の再手術、待つものと待っても変わらないもの

脂肪吸引を受けて何か月かたつのに、鏡の中の形が思っていたものと違う。もう少し待てばいいのか、それとも修正手術を考える時期なのか。調べてみると、他院修正を受け付けるページがいくつも出てきて、やり直しはできますという説明が並んでいます。
ただ、読み終えても自分がいまどちら側にいるのかは、はっきりしないことが多いのではないでしょうか。実際、別のところで手術を受けて相談に来られる方が最初に口にするのは、「もっと取れますか」より「この状態は、こういうものなんでしょうか」という質問であることが多いんです。
再手術について先に決めるべきなのは、できるかどうかではなく、いまが待つときか、診てもらうときかです。 ここでは、時間が解決するものと解決しないもの、修正で目指せることと難しいこと、相談の前にそろえておく記録を順に整理します。
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術後半年までは判断が揺れる時期です
手術のすぐあとに見える形は、仕上がりではありません。腫れやむくみが引くまでに時間がかかり、そのあとには拘縮といって、皮膚と下の組織がくっつき直していく途中の硬さやつっぱりが出てきます。拘縮が強い時期は表面が波打って見えることもあり、失敗したように感じても不思議ではありません。
では、何か月待てばいいのか。日本のクリニックの解説を読み比べると、完成の目安は三か月以降、再手術の判断は半年以降、あるいは半年から一年と、書き手によって幅があります。どれかが間違っているわけではなく、取った範囲や量、部位、皮膚の状態で落ち着くまでの時間が変わるからです。
ですから、月数だけで区切るより、変化の向きを見るほうが確かです。 少しずつでも柔らかくなっている、凸凹の範囲が狭くなっている、という動きがあるなら、まだ途中です。反対に、数週間ごとに比べても同じ場所が同じ形のままなら、そこで初めて確認してもらう段階に入ります。
比べるときは、写真を週に一度、同じ場所、同じ時間帯、同じ角度、同じ服装で撮ります。毎日見ると腫れの上下しか目に入らず、何か月も空けると途中の変化を見落とします。メジャーで測る方法は、むくみで毎日数字が動くので、かえって迷いのもとになりがちです。
この時期に気をつけたいのは、待ちきれずに別の施術を重ねることです。まだ良くなる余地がある場所に手を加えると、何が何を変えたのかが分からなくなります。あとで判断しようとしたときに、材料がかえって減ってしまうんです。迷っている時期ほど、足すより記録するほうが後の役に立ちます。 予定されている経過確認も、一人で待つのとは違って、途中で向きが変わったときに気づく時期が早くなるので、できるだけ受けておいてください。
もう一つ、待たなくていい変化もあります。一度引いた痛みが急に強くなる、赤みや熱を持つ、片側だけがはっきり腫れてくる、といったものです。こうした症状は仕上がりの問題ではないので、月数に関係なく早めに相談してください。時期ごとの見分け方は脂肪吸引の副作用、待っていいものと連絡すべきものにまとめています。
時間では変わらない三つの形
待っても変わらないものは、大きくは三つです。
一つ目は、取りすぎによる凹みです。縁がはっきりしていて、姿勢を変えても同じ位置に同じ形で出ます。脂肪そのものがなくなっているので、腫れが引いても、拘縮が落ち着いても、自然に戻ることはありません。
二つ目は、取り残しです。つまんだときに厚みがあり、それが何か月たっても同じ場所に同じように残ります。ただし、つまめる脂肪がすべて取り残しとは限りません。隣の部位とのつながりを考えて、わざと残してある場所もあるからです。
三つ目は、左右差や段差です。取った場所と取らなかった場所の境目に線が出たり、片側だけが太いままだったりします。もともと体に左右差があることも多いので、手術前の写真と比べて、前からあった差なのかどうかを見ておきます。
それから、そもそも脂肪吸引では変わらないものもあります。思ったほど細くならない原因が皮下脂肪ではなく、筋肉や内臓脂肪にあることがあります。手術後に体重が大きく増えた場合も、取った部位に少しずつ脂肪がつきます。この場合、再手術は答えになりにくいでしょう。
見分ける鍵は、それがいつから、どんなふうに見えていたかです。 腫れが引いたあとに出てきて少しずつ変わっているものと、手術の直後から形が変わらないものとでは、意味が違います。二の腕を例にした時期ごとの見分け方は二の腕の脂肪吸引のボコボコ、いつできたかで意味が変わりますで詳しく書いています。
再手術で直せること、直しにくいこと
一度手術をした場所は、はじめてのときと条件が違います。組織が治っていく過程で層どうしがくっつき、カニューレという細い管を通す道も最初ほどなめらかではありません。そのうえ、残っている脂肪の量も減っています。同じ量を扱うにしても、表面を平らに保つのは最初より難しくなります。
| 気になっていること | 時間で変わるか | 修正で目指すこと | 見通し |
|---|---|---|---|
| 全体が張っている・朝と夜で違う | 変わる(腫れ) | 修正の対象ではない | 経過を記録して待つ |
| 硬さ・表面の波打ち | 数か月で変わる(拘縮) | 修正の対象ではない | 柔らかくなる向きを見る |
| つまめる厚みが同じ場所に残る | 変わらない | 残った脂肪を追加で取る | 比較的取り組みやすいが余裕は初回より狭い |
| 縁のはっきりした凹み | 変わらない | 脂肪を補う・くっついた組織をほどく | 最も難しい部類で、元どおりにはしにくい |
| 左右差・境目の線 | 変わらない | 取らなかった側を合わせて流れをつなぐ | 状態によって幅がある |
| 筋肉・内臓脂肪・体重の増加 | ― | 再手術では変わりにくい | 別の方法を考える |
表の上の二行は、時間と経過の確認で落ち着いていく範囲です。下の四行のうち、取り残しは比較的アプローチしやすいと言われる一方、取りすぎの凹みは修正のなかでも難しいとされています。減らすことはできても、足すことは同じようにはいかないからです。凹みには脂肪を補う方法が中心になりますが、皮膚が下の組織にくっついていれば、それをほどく処置も必要になります。
ここで知っておきたいのは、どの方法でも手術前の状態に完全に戻すことはできないという点です。修正を重ねるほど皮膚の下の硬い組織は増え、次の手術はさらに難しくなります。ですから、再手術は何を足すか引くかを決める前に、いま残っている形をどこまで整えられるかを見極める作業に近いものです。整えられない部分があると分かれば、手術をしない、という結論もあり得ます。
相談に持っていく写真と記録
判断の材料として役に立つのは、次のようなものです。
いちばん大事なのは手術前の写真です。いまの形が手術で変わったものなのか、もともとあったものなのかを分ける手がかりになります。次に、前回の手術の記録です。どの部位を、どんな機器で、おおよそどれくらい取ったのかが分かる書類、たとえば手術記録や同意書、明細の写しがあれば、残っている余裕を推し量りやすくなります。手元にない場合は、手術を受けたクリニックにできる範囲で問い合わせてみてください。
そして、術後の経過写真です。先ほどの条件で撮った週ごとの写真が並んでいると、どこが動いていてどこが止まっているのかが一目で分かります。
記録がなくても、相談ができないわけではありません。残っている脂肪の厚みは、写真や見た目では決まらず、超音波で測って初めて分かります。 凹んで見える場所の下に脂肪が残っているのか、皮膚と筋肉のあいだにほとんど何もないのかで、取れる方法はまったく変わります。ここに、つまんだときの厚みと、角度を変えた写真を合わせて見ます。前の手術を評価するためではなく、いま残っている形を知るための確認です。
関連ページ : 手術前の確認と検査
韓国で受けて帰国後に迷ったら
韓国で脂肪吸引を受けて日本に戻ってから、結果に迷っている方もいらっしゃいます。基本の考え方は同じですが、手術をした医師がすぐ近くにいないぶん、判断を一人で抱えやすくなります。
まずは、手術を受けたクリニックに経過を伝えることです。そのとき、先ほどの条件で撮った写真を添えると、言葉だけよりずっと伝わります。予定されていた経過確認の時期があるなら、それに合わせてもう一度来られるのか、来られない時期はどう経過を伝えるのかを確認しておくと、迷う時間が短くなります。
手術記録や同意書は、帰国してからだと取り寄せに手間がかかることがあります。これから渡韓する方は、帰る前に写しをもらえるか聞いておくと安心です。書類が韓国語でも、どこを、どれくらい取ったかが書かれていれば判断の材料になります。
痛みが急に強くなる、熱を持つといった変化は、再手術の話ではありません。国をまたいでいても待たずに、日本の近くの医療機関を受診してください。
そのうえで、半年を過ぎても形が変わらず、修正を考え始めた場合は、もう一度渡韓することになります。今度は時期を急ぐ理由がありません。写真で相談して、直しやすい悩みか難しい悩みかの見当をつけ、落ち着いた時期を選んで日程を組んでください。滞在日数の考え方は韓国での脂肪吸引のダウンタイムと滞在日数が参考になります。
一人でできるのは、先月と比べて向きが変わっているか、同じ場所が同じ形のまま残っているかを見るところまでです。それが脂肪の残りなのか、層のずれなのか、直せる種類のものなのかは、実際に見て、触って、測ってみないと分かりません。焦って次の手術を足す前に、いまの形を確かめるところから始めてみてください。