二の腕の脂肪吸引の傷跡は、手術前に決まっています

半袖を着る季節に、腕を上げて吊り革を持つ場面があります。傷跡のことを気にされている方は、たいていこの場面を思い浮かべています。細くなることより先に、その一瞬が気になります。
調べると、傷は数ミリだと書かれています。それは本当なのですが、数ミリでも見える場所にあれば見えますし、一センチ近くても見えない場所にあれば気づかれません。 大きさと見え方は、思っているほど連動していません。
そして見え方を決めているほうは、手術前に聞いて確かめられる項目です。
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傷の数より、どこに作るかです
脂肪吸引では、細い管を入れるために皮膚に小さな穴をあけます。その穴の跡が傷跡として残ります。穴の数は、吸う範囲によって変わります。後ろ側だけなら少なく、肩や付け根まで含めるとその分増えます。
数が増えると不安になるのは自然です。ただ、穴を減らすために一か所から無理に吸うと、届かせるために管を大きく動かすことになり、表面が波打ちやすくなります。 穴の数と仕上がりのなめらかさは、ある程度まで交換の関係にあります。少ないほうが良い、とは言い切れません。
代わりに見るのが位置です。腕には、傷が目立ちにくい場所がいくつかあります。肘の内側のしわ、脇の中、腕を下ろしたときに体に隠れる面です。これらはどれも、もともと影になっているか、しわが寄っている場所です。 新しい線を作るのではなく、すでにある線に紛れさせる考え方です。
左右で位置が揃わないこともあります。しわの入り方は人によって左右で違うので、同じ位置に作ると片方だけ線から外れることがあるためです。揃っていることより、それぞれの腕で隠れることのほうが優先されます。 気になるようでしたら、左右で違う位置になる可能性があるかも聞いておけます。
逆に目立ちやすいのは、腕の外側や、肘から少し上の何もない面です。ここは半袖から出ますし、影にもなりません。同じ大きさの傷でも、この面にあるかどうかで、その後の印象がまったく変わります。
肘のシワと脇の中に隠すというのは
もう少し具体的に見てみます。肘の内側には、腕を曲げたときに寄るしわがあります。ここに穴を作ると、腕を伸ばしているときはしわが伸びて傷も薄く広がり、曲げているときはしわの影に入ります。どちらの姿勢でも、そこだけが目に留まりにくい状態になります。
脇の中も似た考え方です。腕を下ろしていればまず見えませんし、上げたとしても、もともと影になっている場所です。脇のほうから管を入れると、腕の後ろ側から付け根にかけて、方向を変えながら届かせやすいという利点もあります。
脇から入れる場合にもうひとつあります。脇の中は、副乳や脇のはみ肉を一緒に扱うときの入り口にもなる場所です。腕だけの手術であっても、将来その周りを気にする可能性があるなら、位置をそこに寄せておくほうが後の選択肢が残ります。
ただし、しわに沿わせるには、どの姿勢を基準にするかを決めておく必要があります。 腕を曲げた状態で線を引くのと、伸ばした状態で引くのでは、同じ「肘のしわ」でも位置が数ミリずれます。日常で人に見られるのは腕を伸ばしている時間のほうが長いので、伸ばした状態を基準にしておくほうが、あとで納得しやすくなります。
もっとも、どの腕でもこの位置が選べるわけではありません。吸う範囲が広ければ、隠せる場所だけでは届かないことがあります。そのときは、目立ちにくい面の中で一か所だけ足す、という決め方になります。全部を隠せるかどうかではなく、隠せない一か所がどこになるかを先に聞いておくのが現実的です。
位置は誰がいつ決めるのか
ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。傷の位置は手術室で決まるのではなく、手術前に体に線を引く段階で決まります。
腕を下ろした姿勢と、上げた姿勢、そして前に伸ばした姿勢で見え方が変わるので、立った状態で印をつけていきます。寝てしまうと皮膚の寄り方が変わるため、この作業は起きた状態でやる必要があります。つまり、患者さん自身がその場で確認できる工程だということです。
ですから、カウンセリングで聞けます。どこに何か所つくる予定か、なぜその位置を選ぶのか、腕を上げたときにその位置はどう見えるのか。この三つまで答えが返ってくれば、当日に驚くことはほとんどありません。カウンセリングで必ず聞く質問にも、同じ項目を入れてあります。
そして、位置は範囲とつながっています。どこまで吸うかが決まっていなければ、どこに穴が必要かも決まりません。範囲が「二の腕全体」で止まっている段階では、傷の位置の話もまだできません。 順番としては、範囲を決めて、位置を決めて、それから費用と日程になります。
関連ページ : ラインカルチャーの二の腕の脂肪吸引
傷跡は何か月でどう変わるか
残った傷がどうなっていくかも、知っておくと気が楽になります。順番があります。
最初の数週間は、傷そのものより周りの色のほうが目立ちます。内出血と、皮膚が引っぱられている感じです。次に、傷が赤みを帯びて少し盛り上がる時期が来ます。この時期がいちばん気になるのですが、ここが最終形ではありません。 そのあと赤みが引いて平らになり、最後に周りの肌の色に近づいていきます。
季節も少しだけ関係します。冬に受けると、赤みが出ている時期をそのまま長袖で過ごせるので、人目を気にせずに済みます。夏に受けると、いちばん気になる時期に半袖になります。急ぐ理由がないのであれば、赤みの時期が袖の中に入る季節を選ぶという決め方もあります。
時間の感じ方は個人差が大きい部分です。数か月で分からなくなる方もいれば、一年近くうっすら残る方もいます。体質として傷が盛り上がりやすい方もいらっしゃるので、これまでに傷が残りやすかった経験があるなら、手術前に伝えておいてください。 位置の選び方や、術後のケアの進め方が変わります。
もうひとつ、傷の周りが硬く感じる時期があります。これは傷そのものではなく、下の組織がくっつき直している途中に出るもので、拘縮と同じ現象です。傷の真下だけ動きが悪く感じることもありますが、時期が過ぎれば戻ります。ボコボコがいつできたかのほうで、この時期の見方を詳しく扱っています。
自分でできることもあります。傷が閉じるまでは擦らないこと、閉じてからは紫外線を当てないこと、この二つです。特に日焼けは色が残る原因になりやすく、腕は隠すのを忘れやすい場所です。 夏に受けた方は、ここだけ気をつけておくと後の見え方が変わります。
テープやクリームはどこまで効きますか
検索すると、傷跡のケアとしてテープやクリーム、レーザーが出てきます。どれも意味はあるのですが、効く範囲がそれぞれ違います。
テープは、傷を引っぱる力を減らすためのものです。皮膚が左右に引かれた状態で治ると、傷は太く残りやすくなります。テープは色を薄くするためではなく、幅を広げないために貼ります。 ですから、貼るなら早い時期のほうが意味があります。腕は曲げ伸ばしで皮膚が動くので、肘の近くの傷ほど効きやすい部分です。
クリームは、乾燥と刺激を減らすのが主な役目です。塗ったから消えるというものではなく、擦らずに触れる回数を減らすための手段だと考えておくと、期待の置き方を間違えません。 どれを使うかより、使い続けられるかのほうが結果に効きます。
レーザーは、赤みが長く残った場合や、盛り上がりが出た場合の選択肢です。ただ、これは落ち着くのを待ってから判断するもので、早い時期に当てても、これから変わる途中の状態に手を入れることになります。 一年近く置いてから考えて遅くありません。
そして、この三つはどれも位置を変えてはくれません。目立つ面に作られた傷を、あとから目立たない面へ移すことはできません。 ケアで変えられるのは残り方のほうで、見えるかどうかは前の段階で決まっています。
渡韓のとき、抜糸と傷の確認はどこで
傷に関しては、渡韓で一つだけ確かめておく項目があります。抜糸をどこでするかです。
滞在中に済ませてから帰る形と、帰国して近くの医療機関でしてもらう形があります。後者なら滞在を短くできますが、受けてくれるところを出発前に見つけておく必要があります。 手術の内容が分かる書類を持っていくと話が早く進むので、渡韓中にもらっておいてください。日程の組み方は滞在が何日必要かのほうにまとめています。
傷の周りが赤く広がる、痛みが増していく、出てくるものが増える。この三つが出たときは、帰国後であっても自己判断で待たずに、近くの医療機関を受診してください。どれも早く見てもらえば収まることが多い一方で、様子を見ているあいだに跡としては残りやすくなる種類のものです。
最初に書いた、腕を上げて吊り革を持つ場面に戻ります。あの一瞬に見えるかどうかを決めているのは、穴の大きさでも数でもなく、その穴が腕のどの面にあるかです。 そして面を選ぶ作業は、手術の前に、立った状態で、一緒に見ながらできます。傷のことが気になっているようでしたら、大きさを聞く前に、どの面に作る予定かを聞いてみてください。