副乳と脇のハミ肉、二の腕だけ吸っても残る理由

腕を細くしたのに、写真で見ると後ろ姿があまり変わっていない。この形のご相談が、術後にいちばん多いです。
理由は腕のほうにありません。腕から脇、そして背中にかけては一続きの面で、そのうち腕だけを薄くすると、隣に残った厚みのほうが前より見えるようになるからです。 引き算をしたはずなのに、別の場所が足し算されたように見えます。
副乳、脇のハミ肉、ブラのラインの段差。日本語では別々の名前がついているので、別々の悩みのように感じます。ところが位置としては、どれも同じ面の上に並んでいます。
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二の腕だけ吸うと、どこが残りますか
残る場所は、だいたい決まっています。三か所です。
ひとつ目が脇の前側、胸の外側につながるあたりです。ここは腕を下ろすと腕と胸のあいだに挟まれて、ブラジャーの縁と重なります。ふたつ目が脇の後ろ側で、背中に回り込む部分です。腕を下ろしたときには隠れていても、腕を前に出すと現れます。三つ目が肩の付け根で、腕の上側から肩に移るところです。
このうち、腕の脂肪吸引の範囲に入りやすいのは三つ目だけです。 前のふたつは「二の腕」という言葉の外に置かれることが多く、見積もりにも入りません。腕だけ細くなって、この二か所が残る形になります。
もっとも、残ること自体が悪いわけではありません。残った厚みが気にならない方もいらっしゃいますし、一度に広く吸えば、その分だけ腫れも圧迫も広がります。 問題になるのは、残ることを知らないまま手術を受けて、あとから気づく場合です。
見積もりの段階で確かめられます。脇の前と後ろを含むのかどうか、含まないならなぜか。費用の差がどこから出るかでも書いたとおり、範囲が決まっていない見積もりは金額を比べても意味がありません。
副乳と脇のハミ肉は同じものですか
厳密には違います。ただ、鏡の前で区別するのは難しいです。
副乳は、乳腺の組織が脇のあたりに残っているものです。もともと体の側面には乳腺のもとになる線があって、そこに組織が残ると、脇の下あたりにふくらみとして出ます。特徴は、生理の前や妊娠中に張ったり痛んだりすることです。 脂肪だけのふくらみであれば、この変化は出ません。
脇のハミ肉は、皮下脂肪です。体重が増えると大きくなり、減ると小さくなります。副乳と違って周期で変化しないので、この一点で見当がつきます。 実際には両方が混ざっていることも多く、その場合は片方だけ扱っても残ります。
なぜこの区別が要るかというと、扱い方が変わるからです。 脂肪であれば吸って減らせます。乳腺の組織は吸引では取りきれないので、量が多ければ切って取る話になります。吸引だけで済ませると、小さくはなったけれどふくらみは残った、という結果になることがあります。
| 副乳 | 脇のハミ肉 | |
|---|---|---|
| 中身 | 乳腺の組織を含む | 皮下脂肪 |
| 生理前の変化 | 張る、痛むことがある | 変わらない |
| 体重との関係 | あまり動かない | 増減する |
| 触った感じ | しこりのように硬い部分がある | 均一につまめる |
| 扱い方 | 量によっては切除 | 吸引で減らせる |
しこりのように硬い部分があるときは、それがどういう組織なのかを先に確かめておく必要があります。多くは副乳の乳腺組織ですが、硬さが片側だけにあって最近出てきたという場合は、見た目の相談より先に診てもらうほうが順番です。
表のどちらか一方に全部当てはまる方は、実はあまり多くありません。混ざっている前提で、どちらがどのくらいかを見るほうが実際に近いです。 ここは触っただけでは分かれないので、超音波で乳腺の組織があるかどうかを見て分けます。
副乳については、保険が使えるのかという質問もよくいただきます。ここは目的によって変わる部分で、見た目を整えることが目的であれば自由診療になります。痛みや張りといった症状があって、それを治療するという位置づけになる場合は扱いが変わることがあるので、症状が続いているようでしたら、まず日本の医療機関で相談されるのが順番として先です。海外で受ける場合は、目的にかかわらず自費になります。
妊娠や授乳の予定がある方は、もう一つ見ておく点があります。副乳に乳腺の組織が含まれている場合、妊娠や授乳の時期に張ったり、まれに母乳が出たりすることがあります。予定があるなら、その時期を過ぎてから判断するという選び方も普通にあります。 急ぐ理由がないのであれば、そのほうが一度で済みます。
傷の位置も聞いておけます。脇の中はもともとしわがある場所なので、そこに沿って作れば目立ちにくく収まります。傷跡がどこに残るかで書いたとおり、見えるかどうかを決めているのは大きさより面のほうです。
副乳の除去で戻るもの、残るもの
副乳の除去を考えるときによく出るのが、「また戻ってきませんか」という質問です。答えは、そこに何が入っていたかで分かれます。
脂肪の部分は、吸った分だけ脂肪細胞の数が減った状態になります。ただ、残った細胞は大きくなれるので、体重が増えればこの場所にもまた厚みは付きます。付き方は手術前と同じ割合には戻らず、ほかの場所のほうに付きやすくなる、というのが実際に近い説明です。二度と付かないのではなく、前と同じ形には戻りにくい、ということです。 再び付く可能性は低いとする解説も見かけますが、それも体重が大きく動かない前提での話です。
乳腺の組織は性質が違います。ホルモンの変化に反応する組織なので、時期によって大きさが変わることがあります。吸引では脂肪と同じようには減らないので、脂肪の部分だけを減らした場合、乳腺の分のふくらみは残り、その大きさも時期によって動きます。妊娠や授乳の予定がある方は、カウンセリングで先に伝えておいてください。どちらがどのくらい残るかを手術の前に分けておくと、時間がたってからの変化も読み違えずに済みます。
脇のふくらみに注射を何回か受けて、思ったほど変わらなかったという方もいらっしゃいます。注射が間違っていたというより、先に考えたいのはふくらみの中に乳腺の組織が混ざっていた可能性です。薬で分解されるのは脂肪細胞なので、乳腺の割合が大きければ回数を増やしても変化は小さいままです。反対に、脂肪が薄く広がっているだけなら、注射で整う分もあります。続けるかどうかは、受けた直後ではなく一週間ほどたってから同じ場所をつまんでみると見当がつきます。回数を増やすか方法を変えるかは、そこに何があるかを確かめてから決めるほうが早いです。
下着で変わる範囲はどこまでか
脇のハミ肉について、先に下着を変えてみる方が多いです。実際、当たり方が変わるだけで見え方はかなり変わります。
変わるのは、押し出されていた厚みの行き先です。カップの脇が浅いブラジャーだと、収まりきらない分が外に出て段差になります。脇が高く作られたものに変えると、その分が中に入ります。つまり、量が減ったわけではなく、置き場所が変わっただけです。
ですから、届く範囲もここで決まります。厚みが薄くて、出方が下着次第で変わる程度なら、下着で十分に解決します。 一方で、どの下着にしても同じ位置に同じ厚みが出るなら、置き場所の問題ではありません。何枚か試して同じところが出るようであれば、そこは量のほうの話になります。
締めつけで減るのではないか、という質問もいただきます。一時的に形は変わりますが、脂肪の量そのものは変わりません。 強く締める下着を長く使うと、当たっていた線のところに跡が残ることもあるので、そこは気をつけていただければと思います。
ブラのラインまで見ないと後ろ姿は変わりません
後ろ姿が気になって調べ始めた方は、ここがいちばん効きます。
ブラジャーの縁が当たる線の上下で、見え方が変わります。上に乗る厚みは肩甲骨のまわりに、下に残る厚みはウエストのほうにつながります。この線そのものが問題なのではなく、線の上下で厚みが違うときに段差として見えます。 下着を変えても変わらないのは、そのためです。
腕だけを吸った場合、この線の上側だけが薄くなります。すると、もともとあった段差が前より強く見えることがあります。後ろ姿の写真で腕が細く写っているのに全体が変わって見えないのは、たいていこの形です。
ですから、後ろ姿を変えたいという目的であれば、見るのは腕ではなく面です。腕の後ろから脇、背中の上側までを一続きとして見て、どこからどこまでを薄くするかを決めます。一度に全部やる必要はなく、どこを先にやるとどう見えるかを先に知っておくだけでも、順番が変わります。
関連ページ : ラインカルチャーの二の腕の脂肪吸引
範囲をどこで切るかは何で決まるか
広げるかどうかは、好みではなく三つの条件で決まります。
ひとつ目が、厚みがどこまで続いているかです。腕から脇にかけて厚みが途切れているなら、腕だけで完結します。連続しているなら、途中で切ると段差が出ます。触ってつまめる厚みが、脇を越えて背中まで続くかどうかが目安になります。
ふたつ目が皮膚です。広い範囲から一度に取ると、その面の皮膚が余りやすくなります。もともと皮膚に余りがある方では、範囲を広げるほど表面が落ち着きにくくなることがあります。この場合は、量を控えめにして面を広く取るほうが、狭い面を深く取るより結果が読めます。
三つ目が日程です。範囲が広がれば、腫れも圧迫も広い面に出ます。腕だけなら上着で隠せますが、背中まで含めると圧迫着の形が変わり、下着の選択肢も変わります。どこまで空けられるかで、選べる範囲が変わってきます。 日程の組み方は滞在が何日必要かのほうで扱っています。
一度に吸う場合と、分ける場合
一度にやるほうが良さそうに思えますが、必ずしもそうではありません。
一度にやる利点は、面として続きを見ながら決められることです。腕と脇を別の日に分けると、先に薄くなった側に合わせて後から調整することになり、そろえるのが難しくなります。 手術と回復が一回で済むのも、渡韓であれば大きな違いです。
分ける利点は、負担が軽いことです。範囲が狭ければ腫れも短く、日程も短くて済みます。予算の面でも、気になっている順に進められます。 ただし、分ける場合は最初の時点で全体の計画を決めておかないと、あとの回で辻褄が合わなくなります。
どちらを選ぶにしても、決めておく順番は同じです。まず面としてどこまで続いているかを見て、次に全部の計画を作って、そのうえで今回どこまでやるかを決めます。今回の範囲から決めると、面を見ないまま線を引くことになります。
腕を細くしたのに後ろ姿が変わらなかった、というご相談に戻ります。あの形になる方の多くは、腕の手術そのものはうまくいっています。足りなかったのは、腕の隣がどこまで続いているかを、手術の前に一度見ておくことだけでした。いま気にされているのが腕の太さなのか、それとも後ろから見たときの線なのか。 この二つは似ているようで別の目的なので、どちらなのかだけ、先にはっきりさせてみてはいかがでしょうか。