二の腕の脂肪吸引の傷跡、正確にどこに残るのか

夏を前にカウンセリングにいらっしゃる方がいちばんよくお尋ねになるのが傷跡です。半袖を着たときに見えるのか、腕を上げると出てくるのか、といったことです。
調べてみると、たいていは「見えないところに残ります」で終わります。ところが見えないところが正確にどこなのかを教えてくれる記事は多くありません。ですから場所と数、そして時間とともにどう変わるのかを分けて書いておきます。
見えないところとは、いったいどこでしょうか
まず大きさの話からします。脂肪吸引の切開はカニューレを入れるための穴で、たいてい数ミリの単位です。挙上手術のように線でつながる切開ではありません。
場所は二つの条件を一緒に見ます。カニューレが届くべき範囲とふだん露出する角度です。この二つが噛み合う場所を選びます。
腕でその条件を満たす場所は数か所に絞られます。脇のしわの内側、腕の内側で胴体と出会う場所、そして肘のまわりです。三つとも腕を下ろした姿勢では折れて隠れるか、体に隠れます。
ただし腕を上げると話が変わります。脇のほうの場所は、腕を大きく上げる姿勢で出てきます。写真撮影のように腕を上げる動作が多い予定があるのであれば、その場所を前もって確認しておかれるほうがよいです。
傷跡が残る場所は、たいていここです
場所ごとに何が違うのかを並べて置きます。
| 切開の場所 | 届く範囲 | ふだんの露出 | 腕を上げたとき |
|---|---|---|---|
| 脇のしわの内側 | 二の腕の後ろの上部、脇の前後 | ほとんど隠れる | 出てくることがある |
| 腕の内側の胴体との境 | 腕の内側、後ろの中ほど | 体につけると隠れる | 内側なので見えにくい |
| 肘のまわり | 二の腕の後ろの下部、肘の上 | 折れる線に隠れる | 露出しやすい |
| ブラのラインのほう | 背中の上部、肩甲骨 | 下着や服に隠れる | 後ろなので見えにくい |
肘のまわりは見落としやすいところです。二の腕の後ろの下のほうまで均一に扱うにはこの場所が必要になる場合がありますが、腕を上げたり曲げたりすると見える角度が生まれます。半袖をよくお召しになるなら、この場所を使うかどうかをカウンセリングで確認しておかれるとよいです。
場所は範囲によって変わります。腕単独ならたいてい上の二か所で足り、脇と背中まで続けて見ると角度を合わせるために場所が増えます。どの組み合わせで何が変わるのかは、二の腕の脂肪吸引の範囲にまとめてあります。

傷跡が一つとはかぎりません
手術前に一度確認しておかれるとよい部分です。切開はたいてい一か所では終わりません。
理由は角度にあります。カニューレは直線で入るので、一つの地点から届く方向は決まっています。二の腕の後ろ全体を均一に扱うには、異なる方向から近づく必要があり、そのために場所が二つ以上必要になります。
均一に扱おうとすることと、場所を減らそうとすることは、互いに引き換えの関係です。場所を一つに減らせば届かない区域ができ、そこが残って表面が均一でなく見えることがあります。逆に場所が増えれば、治る場所も増えます。
範囲が広がれば数も一緒に増えます。脇や背中まで続けて見ると、腕側の場所だけでは角度が出ないので、もう一つ必要になる場合があります。これは手術前にあらかじめ分かる部分なので、何か所を使う計画なのかをカウンセリングでお尋ねいただければ結構です。
左右が違うこともあります。両腕の脂肪の分布が同じでなければ、近づくべき方向も変わるからです。これも前もって聞いておかれれば、あとで驚かずに済みます。
傷跡は時間が経てば薄くなりますか
経過から申し上げます。ただし速さと程度は人によって違います。
抜糸のあとも赤みは残ります。二か月ごろにはまだ赤く見え、まわりにむくみも残っています。三か月ほどになると赤みと色素沈着が少しずつ減り、六か月ではかなり薄くなる経過がよくあります。
ただし六か月になったからといって、すべてが落ち着くわけではありません。腕をよく使うお仕事であればその緊張が治る過程に影響することもあり、一部の場所が周りより厚く盛り上がることもあります。体質によっても分かれます。
傷跡が残らないとは申し上げません。大きさが小さく場所が隠れているので、ふだん目につかないというだけで、跡そのものが消えるわけではありません。この前提を知って始めるのと、知らずに始めるのとでは、受け止め方が変わります。
紫外線は色素沈着を濃くすることがあるので、はじめの数か月は覆っておくほうがよいです。夏に手術をされると、この部分が実際に面倒になります。薄くなる経過とケアの方法は、脂肪吸引の傷跡を最小限にする方法に別途書いてあります。

夏にするなら、何を見るべきでしょうか
半袖の季節に手術をお考えであれば、傷跡より先に見るものがあります。内出血です。
切開の跡は小さくて遠くからは見えにくいのですが、内出血は範囲に沿って広く広がります。腕全体を扱ったのであれば脇の下まで色が出てきて、濃くなる時期が手術後の数日から一週間のあいだに来ます。半袖でこの時期を隠すのは難しいです。
ですから夏にされるのであれば、内出血が濃い区間と予定が重ならないかから数えてみられるほうがよいです。長袖や薄い羽織りもので隠せる期間が確保できるかをご覧いただければ結構です。
圧迫着も夏には負担が大きくなります。汗がこもれば蒸れ、かゆみにつながると、ご自分で着用を減らしてしまわれます。圧迫はむくみを管理し、層が再びくっつく過程を助ける役割なので、着用がまちまちになると、表面が均一に整うことに影響する可能性があります。
予定に余裕があるのであれば、涼しくなってからのほうが楽なのは確かです。ただしそれが結果を変えるわけではありません。季節が変えるのは結果ではなく、回復期を過ごす条件です。
切開の場所はどうケアしますか
場所そのものより、治る過程で行うことのほうが結果を分けます。
抜糸はたいてい一週間から2週間のあいだに行います。場所の数と治る速さによって変わります。抜くまではその部位を避けて洗うことになりますが、この時期に無理にこすると、治る速さが遅くなることがあります。
抜糸のあとは紫外線を避けることがいちばん実質的です。はじめの数か月に紫外線をそのまま受けると色素が濃く残ることがあるので、半袖の季節であればこの部分が実際に面倒になります。服や日焼け止めで覆っていただければ結構です。
テーピングや軟膏のようなケアをいつから行うかは、治り具合を見て決めます。治る前に始めると、かえって刺激になります。時期を早めたからといって、薄くなる速さが上がるわけではありません。
喫煙は治る速さを遅らせるほうに働くと知られています。手術の前後で減らされるほうが、場所が治ることにも役立ちます。
腕をよく使うお仕事であれば、その緊張が治る過程に影響します。場所が引っぱられる動作が繰り返されると、一部の区間が周りより厚く盛り上がることがあります。お仕事の都合で腕をよく使われるのであれば、カウンセリングで前もっておっしゃっていただくほうがよいです。場所を選ぶときに、その点も一緒に見ます。
前もって聞いておかれるとよいこと
整理すると、カウンセリングで確認することは三つです。
切開を何か所に行う計画なのか、それぞれどの場所なのか、そして自分がよく取る姿勢でその場所が出てくるのかです。三つめがとくに大切です。ふだん半袖をよく着るのか、腕を上げた写真をよく撮るのかによって、場所を選ぶ基準が変わりうるからです。
「見えないところに行います」で終わる答えなら、根拠を受け取れていません。私の腕のどこに、なぜその場所を選ぶのかが、一緒に出てくる必要があります。
切開の場所は範囲と一緒に決まる部分なので、手術前に前もって描いてみることができます。ラインカルチャー医院のカウンセリングで超音波で層を測り、範囲を決めるときに進入点をどこに置くかまで一緒にお伝えするのも、そのためです。夏に腕を出さなければならない予定がおありでしたら、その日付から逆算することも一緒にいたします。お気軽にお問い合わせください。