二の腕の脂肪が落ちない理由|運動しても後ろだけ残ります

体重は確かに減ったのに、腕だけそのままという方がいらっしゃいます。ズボンはゆるくなり、顔も変わったと言われるのに、二の腕の後ろだけはつまむと相変わらず厚いままです。
結婚式や撮影のように腕が出る予定を控えていらっしゃると、この差はいっそう大きく見えます。ドレスの試着に行った日の夜に検索を始める方が多いのも、そのためです。
調べてみると、たいていは全身の体脂肪をもっと落としなさいという答えが出てきます。間違いではないのですが、すでに落としたのに腕だけ残っている方には答えになりません。その場合は、いま何が残っているのかをまず分けて見る必要があります。
努力が足りないからではありません
先に線を引いておきます。二の腕の後ろだけ残るのは運動が足りないからではなく、脂肪の落ちる順番が部位ごとに決まっているからです。
体脂肪は全身で一緒に減っていきます。ただし、どの部位が先に減ってどの部位が後に減るかは、人によって違う形で決まっています。顔と胸から先に落ちる方がいれば、お腹から先に落ちる方もいます。腕が後ろの順番にある方は、体重がかなり減ったあとになってようやく腕に変化が出てきます。
問題は、そこへたどり着くまでのあいだに、望んでいなかった変化が先に来ることです。腕を細くしようとして体脂肪をさらに下げていくと、顔が先にこけて胸のボリュームが減ります。腕に届く前に、ほかの場所で代償を払う構造です。痩せたけれど顔だけやつれた、というお話をカウンセリングでよく伺うのはそのためです。

腕の運動をすれば二の腕の脂肪は落ちますか
いちばん多くいただく質問です。部位だけを選んで脂肪を落とすことは、運動ではできません。腕の運動で消費される熱量は全身の脂肪から一緒に出るのであって、その場所の脂肪だけから出るわけではありません。
運動が役に立たないという意味ではありません。腕において運動が果たす役割は、はっきりとあります。
上腕三頭筋を育てると、その上を覆っている層が少し張りをもって支えられます。上腕三頭筋というのは、力こぶの反対側にある筋肉です。この筋肉にボリュームが出ると、腕を上げたときに揺れる幅が小さくなり、横から見た線がはっきりします。全身の体脂肪が減れば、腕からも落ちる分があります。
ただしこの二つは、二の腕の後ろに乗っている皮下脂肪の厚みそのものを大きく変えるわけではありません。長く運動をされてきたのに二の腕の後ろをつまむと相変わらず厚い、という場合がこれにあたります。筋肉はついたのにその上の脂肪層はそのままなので、腕全体の周囲はむしろ増えたように感じられることもあります。
運動歴と実際の筋肉量が必ずしも一致しない点も、あわせてご覧ください。有酸素中心で長く続けてこられた方は、運動量は多くても腕の筋肉のボリュームは大きくないことがよくあります。逆にダイエットを何度も繰り返された場合は、筋肉量はむしろ減っているのに腕の太さはそのままで、その中で脂肪の占める割合が以前より大きくなっている状態かもしれません。
なぜよりによって二の腕の後ろだけ残るのでしょうか
二の腕の後ろでつまめる厚みの中には、性質の違う三つのものが混ざっていることがあります。これを分けてはじめて、次の判断が立ちます。
一つめは、上腕三頭筋の上に乗った皮下脂肪です。いちばん多いケースです。力を抜いた状態で二の腕の後ろの肉を指でつまんだときに厚くつまめるなら、その厚みのかなりの部分が脂肪です。力を入れた状態で同じ場所をつまんでも、なお厚いのであれば、それだけ脂肪が上に乗っているということです。
二つめは、むくみです。朝と夕方で太さが目に見えて違ったり、指で押した跡がしばらく残ってゆっくり戻ったりするなら、その中にむくみが混ざっている可能性があります。むくみは脂肪でも筋肉でもないので、取り除く対象ではありません。これを脂肪として数えると実際より脂肪が多いと判断することになり、その状態で計画を立てると期待がずれます。
三つめは、皮膚の弾力です。つまむと薄くつまめるのに、腕を上げて振ると波打つ場合です。脂肪が減った場所に皮膚がそのぶん追いついて締まりきっていない状態なので、ここで脂肪をさらに減らすと、支えていた体積まで消えて余った皮膚がより目立ちます。大きく減量されたあとによく出てきます。

ここにもう一つあります。腕の太さをつくるのは脂肪と筋肉だけではありません。骨の構造が一緒に働いています。骨格はどんな方法でも小さくならない部分なので、脂肪を整えても残る厚みがあります。腕が太い理由を脂肪と筋肉の二つだけで分けると、この枝が抜けてしまい、結果を予想するときにずれます。
運動で変わるものと変わらないもの
何が運動で変わり、何が変わらないのかを並べて置くと、方向が見えてきます。
| 項目 | 運動で変わるか | 何を見るべきか |
|---|---|---|
| 全身の体脂肪 | 変わる | ただし腕が落ちる順番は決まっている |
| 上腕三頭筋のボリューム | 変わる | 揺れは減るが周囲は増えることがある |
| 二の腕の後ろの皮下脂肪 | 部位だけを選ぶことはできない | つまんだときの厚み |
| むくみ | 生活習慣によって変わる | 朝と夕方の太さの差 |
| 伸びた皮膚 | ほとんど変わらない | 薄くつまめるのに波打つか |
| 骨格 | 変わらない | 脂肪を取っても残る厚み |
表を縦に読まず、ご自分の腕がどの行にあたるのかを探してみてください。上の二行であれば運動を続けるほうが正しく、三行目からは運動をさらに増やしてもその項目は答えを返してくれません。多くの場合は複数の行にまたがっていて、そのときはどちらの比重が大きいかを見極めることが先になります。
長く運動をされてきたのに二の腕の後ろだけそのままであれば、運動量を増やす前に、いまつまめているものが何なのかを確認するほうが早道です。ケアをさらに増やしても、対象でない項目は動きません。腕が脂肪吸引に適した状態かどうかを見る項目は、二の腕の脂肪吸引の前に確認することにまとめてあります。
マッサージやケアが届く範囲
運動の次に多く試されるのがケアです。マッサージ、リンパケア、高周波などですが、ここにも届く範囲と届かない範囲があります。
むくみには届きます。循環が滞って生じた腫れはケアで引く分があり、そのため受けた直後に腕が軽くなり、周囲も少し減る実感を持たれます。朝と夕方の太さの差が大きかった方ほど、この体感は大きくなります。
皮下脂肪の厚みそのものには、ほとんど届きません。ケアで減った周囲はたいていむくみが引いた分なので、数日たつと元に戻ることが多いです。ここでケアの回数を増やす方向へ行くと、時間と費用がむくみだけに使われることになります。
そこでケアを始められるときは、二回目か三回目のところで一度立ち止まってみることをおすすめします。受けた直後ではなく三日ほど経った時点で同じ場所をつまんでみて、厚みが減っているのか、それとも受けた日だけ薄かったのかをご覧ください。三日後にも厚みが減っていれば続ける理由があり、受けた日だけ薄かったのなら、対象はむくみのほうだったということです。

筋肉質だからではないでしょうか
腕に力を入れたときに硬くつまめると、筋肉質だから取っても意味がないと結論づけられる方がいらっしゃいます。
筋肉が多くて腕が太いというケースは、思ったより多くありません。力を入れると下の筋肉が収縮して上の脂肪まで押し上げられ、全体が硬く感じられます。このとき手に触れる硬さは筋肉のものですが、つまめる厚みは脂肪のものなので、指先だけでは区別がつきません。
分ける方法は、先ほど申し上げたものと同じです。力を抜いた状態と入れた状態でそれぞれつまんでみて、つまめる厚みがどれだけ変わるかをご覧ください。力を入れた瞬間につまめるものが大きく減れば筋肉の比重が大きいほうで、なお厚ければ、それだけ脂肪が上に乗っています。筋肉質の腕でどこまで変わりうるかは、筋肉質な二の腕の脂肪吸引に別途書いてあります。
いまが判断する時期かどうかを先に見てください
確認を先延ばしにしたほうがよい時期があります。
減量がまだ進行中であれば、いまつまめている厚みは最終ではありません。体重が速く動いている区間では脂肪量が変わり続けるので、今月測った数字と来月の数字が違います。この時期に判断すると、どちらに転んでもずれます。
減量が終わった直後も同じです。落ちる速度が速かったほど皮膚が追いつく時間が足りず、実際より緩んで見える時期を通ります。よりによってこのときにご覧になると、弾力の問題を実際より大きく捉えてしまい、必要のない方法まで検討することになります。
夏にむくみが強かった方も、時間を置いてご覧になるほうがよいです。暑さでむくんだ状態で測った太さを基準にすると、実際より脂肪が多いと判断することになります。涼しくなってから測り直すと、数字が変わります。
逆に体重が落ち着いていて二の腕の後ろだけ残っているのであれば、いまが確認してみるのによい時期であるのは確かです。運動でできる範囲をすでに使いきった状態だからです。腕に使える方法がそれぞれどんな状態に合うのかは、二の腕の施術の種類の比較に表でまとめてあります。
整理するとこうなります。力を抜いた状態で厚くつまめて、朝と夕方の太さが似ているなら、残っているのは脂肪のほうです。太さが一日のうちでも目に見えて違うならむくみが混ざっていて、薄くつまめるのに大きく波打つなら皮膚のほうも一緒に見る必要があります。運動をさらに続けるのか別の方法を見るのかは、この三つの枝を分けたあとで決めるのが順番です。
手でつまんで分かるのはここまでです。脂肪層が実際に何ミリなのか、その脂肪が皮膚に近い浅い層に寄っているのか深い層にあるのかは、超音波で層を分けてはじめて見えます。ラインカルチャー医院のカウンセリングで二の腕の後ろと前、脇と肩甲骨まわりの厚みをそれぞれ測り、腕を下ろした姿勢と上げた姿勢を写真で一緒に残すのも、そのためです。長く運動をされてきたのに腕だけそのままであれば、ケアをさらに増やす前に、いま何が残っているのかを確認してみてください。気になる点はお気軽にお問い合わせいただいて構いません。