二の腕の脂肪吸引後、脇のラインがまだ残って見える理由

手術から一か月ほど経つと、鏡の前で一度立ち止まることになります。腕は確かに減ったのに、いちばん気にされていた横の膨らみだけはそのままのように見えるときです。
先に申し上げると、この時期にそう見えるのはよくあることです。ただし、よくある経過なのかそうでないのかを分ける基準があり、その基準をご存じであれば、待つときなのか確認するときなのかが分かれます。
腕は減ったのに、なぜ横の膨らみだけそのままなのでしょう
脇のほうが遅れて整うのには理由があります。三つが重なっています。
一つめは、組織が重なっている場所だということです。脇の前側は腕と胴体が出会う場所なので、複数の層が重なり合っています。同じ量のむくみでも、重なった場所ではより厚くつまめます。
二つめは、リンパが集まる通り道だということです。腕から戻ってくる循環がこのあたりを通ります。手術で通った場所のむくみがこちらに集まってから抜けていくので、腕より遅れて整う流れが生まれます。
三つめは、一日じゅう動いている場所だということです。腕を上げ下げする動作のたびに、この部位が折れたり伸びたりします。刺激が繰り返されれば、そのぶん引いていく速さは遅くなります。
ですから腕のほうが先に整い、脇が後からついてくる順番がよくあります。手術から一か月の時点で横のラインだけ残ったように感じられる時期を通る理由です。

まだむくみなのか、もともと取っていないのか
ここで分けるべきものが三つあります。対応がまったく違います。
| 確認する項目 | まだ回復の途中 | 範囲から外れていた | 脂肪ではない組織 |
|---|---|---|---|
| 週ごとの変化 | 少しずつ減っている | そのままだ | そのままだ |
| 左右の比較 | 両側が似ている | 両側が似ている | 片側が大きいこともある |
| 触れたとき | やわらかく境目がぼやける | 周りの脂肪と同じ感触 | 周りより硬くしこる |
| 生理周期 | 関係ない | 関係ない | 大きさや痛みが変わる |
| 手術前の写真 | 手術前にもあった | 手術前にもあった | 手術前にもあった |
いちばん分かりやすい基準は一行目です。週ごとに少しずつでも減っているなら、お待ちいただいて構いません。二、三週間おいて同じ場所を同じやり方でつまんでみると、方向が見えてきます。そのままか、むしろ広がっている感じがするときが、確認の必要な時点です。
三行目も役に立ちます。回復中のむくみはやわらかく境目がぼやけますが、残っている組織は周りと区別がつくようにしこって触れます。ただし手術後二、三か月までは治っていく過程で組織が一時的に硬くなる時期があるので、これだけで決めつけるのは難しいです。
じつは最後の行がいちばん確実です。手術前にいろいろな角度で撮っておいた写真があれば、いま残っているものがもともとあったのか新しくできたのかが、すぐに分かれます。手術前に腕をつけた姿勢と上げた姿勢、正面と横をそれぞれ残しておいてくださいと申し上げる理由が、ここから出てきます。
いまの時点では、どこまで出ているのでしょうか
時期をご存じであれば、途中で気持ちが揺れにくくなります。
手術直後は脇まで腫れるので、かえって大きくつまめます。2週目から3週目のあいだに大きなむくみが引いて腕のほうから目に見えて減り、このとき脇はまだ残って見えます。一か月から二か月のあいだにこちらもついてきはじめ、最終の確認までは3か月から6か月を見ます。
範囲を広く扱った場合や皮膚の弾力が低めの場合は、それぞれの区間が後ろにずれます。ですから同じ日に同じ手術を受けても、経過が並んで進むわけではありません。他の方の一か月目をご自分の一か月目と比べるのではなく、ご自分の2週目とご自分の一か月目を比べるほうが正確です。
比べるときは条件を合わせてください。同じ場所、同じ照明、同じ姿勢で2週間おきに撮って並べると、差が見えます。毎日鏡を見ると目が慣れてしまって、少しずつ変わっているのを見落とします。時期ごとに体がどう流れるかは、脂肪吸引後の腫れの期間にまとめてあります。

脇を腕と一緒に見る理由
手術前であれば、この話はいっそう役に立ちます。
二の腕の後ろの脂肪は、脇の前側の折れ目、そしてブラのラインへ続く後ろ側と、一つの線をつくっています。鏡では離れて見えますが、脂肪の層としてはつながっています。腕だけを整えて続く区域を残しておくと、そのあいだになかった段差ができて見えることがあります。
腕の周囲は減ったのに、服を着たときの印象が期待ほど変わらないというのは、ここから出てきます。袖のない服や体にフィットするトップスは、腕そのものより腕と胴体が出会う横の線を見せるからです。
逆に続く区域がきれいであれば、範囲を広げる理由はありません。大切なのは広くするかどうかではなく、切る場所を腕の状態を見て決めたかどうかです。脇の前側が折れるか、膨らみが前に押し出されるか、ブラのラインへ続く厚みがあるかを順に確認してから決めます。
こういうときはお知らせください
待っていてよい状態と、確認が必要な状態を分けておきます。時期によって、同じ症状でも意味が違います。
| 時期 | よくある経過 | お知らせいただきたいとき |
|---|---|---|
| 手術直後〜3日 | 脇まで腫れて大きくつまめる | 片側だけ急に膨らむ、熱感を伴うとき |
| 抜糸の前後 | むくみが引きはじめる | 浸出液が出つづけるとき |
| 3週〜一か月 | 腕が先に整い、脇は残って見える | 片側だけ硬くなり範囲が広がるとき |
| 2〜3か月 | しこりがやわらかくなりはじめる | しこりがほぐれないまま変わらないとき |
基準は一つに決めていただければ大丈夫です。週ごとに少しずつでもよくなっているなら、お待ちいただいて構いません。変わらない、あるいは広がっている感じがするときが、お知らせいただく時点です。
腕をよく使うお仕事であれば、脇のほうの回復が少し遅く感じられることがあります。動作が繰り返される場所なので刺激が積み重なるからです。この場合も、方向が減っていくほうであればよくある経過です。
マッサージや高周波のようなケアを早い時期に強く受けられることも、おすすめしません。まだ治っている途中の層に刺激が入ると、かえってむくみが増えることがあります。ケアはいつからどの強さで行うかが決まっていて、その時点を早めたからといって回復が早まるわけではありません。いつからどの強さで始めるかは、経過を見てそのつど決めます。
左右が違って感じられるのも、この区間でよく出てきます。もともと左右が完全に同じ腕は少ないので、むくみが覆っていた元の差がいまになって見えているという場合が多いです。手術でできた差なのかもともとあった差なのかは、手術前の写真と照らし合わせれば分かれます。
手術前なら、この質問一つで足ります
カウンセリングでこうお尋ねください。私の腕は腕単独でいけますか、脇まで一緒に見るべきですか。
答えが「範囲に含められます」という水準で終わるなら、判断の根拠を受け取れていません。私の腕のどの場所がどう見えるからそう決めたのかが、一緒に出てくる必要があります。腕をつけた姿勢と上げた姿勢をそれぞれ見て説明してくれるかどうかで分かれます。
もう一つ聞いておかれるとよいことがあります。脇でつまめるものが脂肪なのか乳腺組織が混ざったものなのかです。乳腺の比重が大きいと吸引で減らせる幅が限られますが、これを手術前に分けておかないと、あとからその境目で物足りなさが残ります。どちらなのかは超音波で組織を確認してはじめて分かれます。腕と脇を一緒に見るかどうかを分ける基準は、二の腕の脂肪吸引と副乳に別途書いてあります。
整理するとこうなります。手術後であれば、週ごとに少しずつでも減っているかを基準にしていただければ結構です。減っているなら待つときであり、そのままか広がっている感じなら確認するときです。どちらか判断しにくいときは、それもお知らせいただいて構いません。
回復の区間であいまいな状態が出てきたとき、待つときなのか見るべきときなのかは、最初の状態を知っている側がいちばん早く見分けます。どの層まで扱い、左右の差がもともとどれくらいだったかを知っている側が見れば、判断が速くなります。ラインカルチャー医院で手術をした者が経過も続けて見る理由がここにあります。いまお過ごしの区間がよくある経過かどうか判断しにくいときは、おひとりで測らずにご連絡ください。