二の腕の脂肪吸引の効果、周径の数字とラインは別の話です

手術のあと一か月ほど経つと、ほとんどの方がメジャーを取り出されます。何センチ減ったかを測ってみて、思ったほど数字が減っていないと、そこから気持ちが落ち着かなくなります。
ところが同じ時期に、服は楽になったとおっしゃいます。袖がきつくなくなり、写真で腕が違って見えると。数字と実感がずれるこの状況が、二の腕の脂肪吸引の効果を理解する出発点です。
二の腕の周径は測る時期によって変わります
二の腕の周径は測る時期によって違って出ます。これは測定が不正確だからではなく、腕の内側の状態が変わり続けているからです。
手術の直後は麻酔液とむくみが残っているので、かえって太く出ます。二週から三週のあいだに大きなむくみが引いて数字が下がり、そこからは残りのむくみがゆっくり整っていく区間です。この区間が長いので、一か月目に測った数字はまだ途中の値です。
測る位置も影響します。二の腕は脇側とひじ側で太さが違い、脂肪の寄る場所も人によって違います。同じ腕でも3cm上下で測れば数字が変わります。ですからメジャーをお使いになるなら、位置に印をつけて毎回同じ場所で測らないと比べられません。
| 時期 | メジャーで測ると | 服の着心地では | 写真では |
|---|---|---|---|
| 1週 | かえって増えていることも | 圧迫着のため判断しにくい | むくみで隠れる |
| 3週 | 下がり始める | 袖がきつくなくなる | 正面は同じ、横で差が出る |
| 6週 | 実際に近づく | 実感がはっきりする | 腕を下ろした姿勢で見える |
| 3か月 | 落ち着く | 落ち着く | 腕を上げた姿勢まで整う |
表で目を留めていただきたいのは、三つの欄が同じ速さで動かないという点です。服の着心地がいちばん先に来て、メジャーの数字がいちばん遅れてついてきます。

周径は変わらないのに違って見える理由
数字は大きく減っていないのに、確かに違って見える場合があります。これは錯覚ではありません。
腕の印象をつくるのは周径の総量ではなく、どの場所がどう出っ張っているかです。同じ周径でも二の腕の裏側がぼてっと盛り上がっていれば太く見え、肩からひじまでなだらかにつながれば細く見えます。服を着るとこの差はさらに大きくなります。袖はいちばん太い地点に引っかかるからです。
吸引は総量を減らすことより、分布を均すことに近い施術です。出っ張った場所を下げ、へこんだ場所は残すという形です。肩の下からひじまで幅が均等につながると、まっすぐに近い線になり、実際に減った寸法より細く見えるようになります。 逆に総量だけ大きく減らして分布を見なければ、数字は減ったのに印象は変わらないという結果になります。
そのため、何cc抜いたかは結果を説明してくれません。同じ量でもどの層から出たのか、どこを残したのかによって、表面のつかまり方がまったく変わります。
減る幅には、はじめから上限があります。同じ太さでもその中で脂肪と筋肉が占める比率は違い、吸引で減らせるのは筋肉の上に乗った脂肪までです。 筋肉の比重が大きい腕は、同じ手術をしても数字に表れる幅が小さくなります。カウンセリングで力を抜いた状態と入れた状態を分けてつまんでみるのは、そのためです。この確認が抜けると、結果ではなく見込みのほうがずれます。
腕だけ抜いたのに背中が減ったという話
カウンセリングでよく出る話があります。腕だけしたのに後ろ姿が変わった、というものです。
腕が背中を減らしたわけではありません。二の腕の脂肪吸引の範囲には、腕の内側と外側だけでなく、脇の前後と肩甲部、つまり背中へ続くつなぎ目まで入る場合が多いのです。 この区域を一緒に扱うと背中の始まりの部分が整って、後ろ姿が違って見えます。脇のボリュームが減ると腕が体のほうへ自然に寄り、前後に開くのも小さくなります。逆に腕でぴたりと切ると、腕は細くなったのにその横がそのまま残って、二つの区域の間になかった境目が見えることもあります。

ですからカウンセリングで腕を見るとき、腕だけは見ません。腕を下ろしたときの横の厚み、上げたときのたるみ具合、脇の前側の折れ込み、副乳の出っ張り、ブララインへ続く後ろまで順番に見ます。このうち複数が一緒に見えるなら、腕だけよりも続く範囲を一緒に見たほうが仕上がりがなめらかです。範囲をどこまで取るかは、二の腕の脂肪吸引のページにまとめてあります。
手術後、時期ごとに何が先に見えるか
変化は一度に来るのではなく、順序があります。この順序をご存じだと、途中で揺れにくくなります。
いちばん先に来るのは服の着心地です。三週ごろから袖がきつくなくなったという話が出ます。次が腕を下ろした姿勢の横のシルエットです。六週ほどで写真に見え始めます。いちばん遅いのが腕を上げたときの姿です。これは皮膚が落ち着いてから出てくる部分なので、三か月近くかかります。
ですから一か月目に腕を上げて鏡をご覧になると、がっかりしやすいのです。まだその部分が答えを出す時期ではないからです。この時期は腕を下ろした姿勢の写真を同じ角度で撮って比べるほうが正確です。
写真を撮るときは条件をそろえておくと比べられます。同じ場所、同じ照明、同じ距離で、正面と横、そして腕を広げた姿勢まで残しておいてください。二の腕は見る角度によって厚みのつかまり方が変わる部位なので、条件が違うとよくなったものまでよくなっていないように読めてしまいます。
鏡も毎日ご覧になると変化を見落とします。少しずつ変わるものは目が慣れてしまうからです。二週間おきに撮った写真を並べるほうが確かです。
満足を分けるのは結果の大きさではありません
手術の結果がよかったのに物足りなさが残る場合と、変化の幅が大きくないのに満足される場合が、どちらもあります。 違いは結果の大きさではなく、何を得ることにするかが先に決まっていたかどうかです。
服の着心地が目標だった方は三週目から満足されます。一方、腕を上げたときの動きが目標だった方が同じ時期にご覧になると、まだ何も変わっていないように感じられます。同じ手術、同じ経過なのに、受け取り方が違います。
| 目標 | 何を基準に見るか | いつ確認するか |
|---|---|---|
| 服の着心地 | 袖のきつさ | 3〜6週 |
| 正面の印象 | 腕を下ろした姿勢の横の厚み | 6週〜2か月 |
| 腕を上げた姿勢 | 裏側のたるみ具合 | 2〜3か月 |
| 後ろ姿のシルエット | 脇・ブララインのつなぎ目 | 2〜3か月 |
ですからカウンセリングでは、どの姿勢がいちばん気になるかを先にうかがいます。二つの目標を同じ方法で一度に解決しようとすると、どちらも満足のいかない形で終わる場合があります。 得るものと残しておくものを先に分けておくと、同じ結果でも読み方が変わります。
数値でお約束しにくいのもこのためです。脂肪層の厚み、皮膚の弾力、回復の速さが人によって違うので、同じ条件でも幅が分かれます。
また太ったらどこにつきますか?
最後によく出るご質問です。吸引した場所は脂肪細胞の数が減っているので、その後に体重が増えると相対的に他の部位につきやすくなります。
ただし腕にまったくつかないわけではありません。残っている細胞が大きくなるからです。大きく増えれば腕も一緒に太くなりますが、手術前と同じ比率に戻るわけではありません。分布が変わった状態で増えるので、以前とは違う形になります。
ですから手術のあと体重管理をまったく手放してよいとは申し上げにくいです。逆に、以前のように腕から気にする必要は減ります。腕から先に太る順番だった方が、手術のあとは他の部位から先につくほうへ変わる場合があるからです。体全体で見れば総量は同じでも、どこにつくかが変わったということです。
記事の冒頭でメジャーと服の着心地がずれる話から始めました。そのずれは誤解ではなく、二の腕という部位の性質です。周径は総量を測り、服の着心地は分布を読みます。二つの数字が違う動き方をするのが普通で、そのうち服の着心地のほうがたいてい先に答えを出します。
周径とラインのどちらが目標なのかは、手術の前に決めておくほうがよいです。ラインカルチャー医院のカウンセリングで、腕を下ろした姿勢と上げた姿勢、正面と横をそれぞれ撮っておくのもそのためです。あとで比べる基準を先につくっておくのです。どの姿勢がいちばん気になるかをお聞かせいただければ、それに合わせて範囲を一緒に決めていきます。